防水工事の基礎知識!工事を検討するタイミングをわかりやすく解説

防水工事の目的

住宅を劣化させる要因には、紫外線やカビ、湿気などが挙げられますが、水も大きな影響を与えることがあります。水が建物内に浸入すると、柱や梁が腐食して耐久性が低くなるでしょう。

コンクリート製の住宅の場合は、雨水によってセメント成分が流れ出すことがあります。放っておくとコンクリートが剥がれ落ちてしまうことになるので、定期的にチェックするが必要あります。

防水工事の検討が必要な箇所

防水工事と聞くと、屋根を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、外壁も雨風の影響を受けており、劣化すると建物内に浸入する恐れがあります。

また屋内についても、外壁や屋根の劣化によって、浴室やキッチンに影響を与える場合があります。防水工事を検討する際には、屋根やバルコニーに水溜まりが発生していないか、室内の湿気が以前よりも高くなってはいないかなどをチェックしましょう。

防水工事の主な工法

防水工事には主に2つの工法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。ここからは、主な工法について詳しく解説していきます。

密着工法

浸水を防ぐために、防水層を下地に密着させて行う工法のことです。コストパフォーマンスが高く、工期が比較的短いというメリットがあります。一方で防水層が下地に密着しており、下地に含まれる水分の影響を受けやすいというデメリットがあるので、状況によってはひび割れが発生する恐れがあるでしょう。

絶縁工法

下地に防水層を密着させず、下地と防水層の間に空気の層を作る工法のことです。下地の影響を受けないので、密着工法に比べると長持ちしやすいというメリットがあります。一方で、コストが高くなってしまう、重いものを設置する場所には不向きというデメリットがあります。

防水工事の種類

防水工事にはさまざまな種類があり、特徴も異なります。ここからは、防水工事の主な種類について紹介していきます。

アスファルト防水

アスファルトに合成繊維不織布を含ませた、シート状の建材を使った工法で、主にビルの屋上や住宅の屋根などで用いられています。アスファルト防水のメリットは、耐用年数がほかの素材に比べて優れていることです。ただし、アスファルトを使用する際には異臭や煙が発生してしまうので、近隣住民への配慮が必要でしょう。

ゴムシート防水

屋上の防水工事で主に使われる工法で、接着剤を使ってゴムシートを下地に固定させます。ゴムシート防水のメリットはコストがかからないこと、短期間での工事が可能なことです。一方で、複雑な形状には不向きというデメリットがあります。

塗膜防水

防水塗料を塗り重ねる形で進めていく工法のことです。塗装防水にはウレタン樹脂を使用したウレタン防水、アクリル樹脂を使用したアクリル防水、シリコン樹脂を使用したシリコン防水、繊維強化プラスチックを使用したFRP防水などがあります。

防水工事の中でも、比較的メジャーなのものがウレタン防水です。こちらは複雑な形状にも適しており、継ぎ目のないシームレスな防水層を形成できるというメリットがあります。

塩ビシート防水

塩化ビニール製のシートを下地に張りつける工法で、耐久性が高く、施工したときの状態を長く維持できるというメリットがあります。また、熱風でシートを溶かしながら張りつけるため、複雑な形状の場所にも向いています。

防水工事を検討するタイミング

工法によって耐久性は変わりますが、一般的に10年以上はその効果が持続されるといわれています。外壁や屋根の見た目だけで判断する方も多いのですが、これらは太陽の紫外線や雨風の影響を常に受けており、想像以上に劣化が進んでいる場合もあるでしょう。手で触れたときに白っぽい粉が付着していたときは、防水工事を検討しましょう。

また、外壁は気温の影響を受けやすく、膨張や収縮を繰り返しています。地面に剥がれた塗料が落ちているときや、外壁の一部の塗装が剥がれているときは、早めに防水工事の依頼をしましょう。

なお、防水工事はいつでも行えるものですが、おすすめの時期は春や秋です。夏の時期は、防水シートが熱で膨張する恐れがあり、梅雨の時期は塗料が乾燥しにくいでしょう。

一方で冬場になると、地域によっては凍結の恐れがあります。春や秋などの気温や湿度が安定した時期に依頼すると、スムーズに工事を進められることでしょう。

まとめ